インシュレーション工法
高い効果を発揮する屋根断熱工法
二重折板断熱工法
製品図
本体形状(単位:mm)
SVタイプ SV-1シリーズ・SV-2型シリーズ・SV-3型シリーズ・SV-5型
タイトロック500
断熱金具
SVタイプ SV-1シリーズ・SV-2型シリーズ・SV-3型シリーズ
*1 音鳴り低減仕様は専用制振材付となります。
※ 耐火認定内容を必ずご確認ください。
タイトロック
*2 段付きケラバ専用
※ 耐火認定内容を必ずご確認ください。
特長
省エネ工法
上下折板の間に断熱材を敷込む、熱エネルギーのロスを防止する省エネ工法。
既設折板の上に葺上げも可能です。
屋根30分耐火構造認定
対象折板 | 認定番号 | 断熱材 | 折板裏貼材 | 支持間隔 | 上葺材 板厚 | 下葺材 板厚 |
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SV-1型 SV-2型シリーズ SV-5型 | FP030RF-1506 | グラスウール保温材 密度10kg/m3以上 JIS A 9505 JIS A 9521 t=50~100mm もしくは t=50mm×2層 | 裏貼材なし | 4.5m以下 | 鋼板 0.6mm以上 | 鋼板 0.6mm以上 |
FP030RF-1507 | フネンエース等 | |||||
FP030RF-1508 | スーパーフェルトンⅡ | |||||
FP030RF-1509 | 裏貼材なし | ステンレス鋼板 0.6mm以上 | ステンレス鋼板 0.6mm以上 | |||
FP030RF-1510 | フネンエース等 | |||||
FP030RF-1511 | スーパーフェルトンⅡ | |||||
FP030RF-1512 | 裏貼材なし | 鋼板 0.6mm以上 | ||||
FP030RF-1513 | フネンエース等 | |||||
FP030RF-1514 | スーパーフェルトンⅡ | |||||
FP030RF-1515 | 裏貼材なし | ステンレス鋼板 0.6mm以上 | 鋼板 0.6mm以上 | |||
FP030RF-1516 | フネンエース等 | |||||
FP030RF-1517 | スーパーフェルトンⅡ | |||||
SV-3N型 | FP030RF-1820-(8) | グラスウール保温材 密度10kg/m3以上 JIS A 9505 JIS A 9521 t=50~100mm もしくは t=50mm×2層 | 上:なし 下:なし | 3.3m以下 | 鋼板t=0.6mm以上 | 鋼板t=0.6mm以上 |
FP030RF-1820-(12) | 上:なし 下:フネンエース等 | 鋼板t=0.6mm以上 | 鋼板t=0.6mm以上 | |||
FP030RF-1820-(14) | 上:なし 下:スーパーフェルトンⅡ等 | 鋼板t=0.6mm以上 | 鋼板t=0.6mm以上 | |||
FP030RF-1820-(1) | 上:なし 下:なし | ステンレス鋼板t=0.6mm以上 | ステンレス鋼板t=0.6mm以上 | |||
FP030RF-1820-(15) | 上:なし 下:なし | ステンレス鋼板t=0.6mm以上 | 鋼板t=0.6mm以上 | |||
FP030RF-1820-(22) | 上:なし 下:なし | 鋼板t=0.6mm以上 | ステンレス鋼板t=0.6mm以上 | |||
タイトロック500 | FP030RF-0943-1 | グラスウール保温材 密度10kg/m3以上 JIS A 9505 JIS A 9521 t=50~100mm もしくは t=50mm×2層 | 裏貼材なし | 4.5m以下 | 0.6~1.0mm | 0.6~1.0mm |
FP030RF-0965-4 | 下折板のみ 可 *4 | |||||
FP030RF-1933-2(1) | 裏貼材なし | 5.8m以下 | 0.8mm以上 | 0.6mm以上 | ||
FP030RF-1933-2(2) | 上:あり 下:なし *4 | |||||
FP030RF-1933-2(3) | 上:なし 下:あり *4 | |||||
FP030RF-1933-2(4) | 上:あり 下:あり *4 |
設計参考仕様
一般名 | グラスウール(t=100mm 又は5mm×2層)【特長:吸音・断熱】 | ||||||
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密度 | 10kg/m3 | 16kg/m3 | 24kg/m3 | ||||
熱伝導率 ( W/m・K) | at 25℃ (メーカー測定値) | 0.049 | 0.044 | 0.038 | |||
熱抵抗値 (m2・K/W) | 厚さ50mm | 1.02 | 1.13 | 1.35 | |||
厚さ100mm | 2.04 | 2.27 | 2.70 | ||||
熱貫流率 (W/m2・K) | 厚さ50mm | 0.98 | 0.88 | 0.74 | |||
厚さ100mm | 0.49 | 0.44 | 0.37 | ||||
標準質量 (kg/m2) | 厚さ50mm | 0.50 | 0.80 | 1.20 | |||
厚さ100mm | 1.00 | 1.60 | 2.40 | ||||
防火材料認定 | 不燃 NM-5281 | 不燃 NM-0454 | 不燃 NM-0454 | ||||
日本工業規格認定 | JIS A 9521 [住宅用人造鉱物繊維断熱材] | JIS A 9521 [住宅用人造鉱物繊維断熱材] | JIS A 9504 [人造鉱物繊維保温材] | ||||
備考 | ・外被材のある資料は、外被材を除いて測定しています。 ・熱抵抗値:熱抵抗値=厚さ÷熱伝導率で算出しています。 ・熱貫流率:表面の内外の熱伝達抵抗ではなく、熱抵抗の逆数で算出しています。 |
音鳴り低減仕様(オプション)
音鳴りのメカニズムと低減対策
二重折板断熱工法における音鳴り現象について
- 金属は温度変化による熱伸縮を要因とする音鳴り現象が発生することがあります。二重折板断熱工法は断熱性・水密性・遮音性などに優れていますが、上弦材と下弦材との温度差(熱伸縮量の 差)により同現象が生じやすい傾向にあります。
音鳴りの種類とメカニズム
- 折板は鋼板の仕様や色によって異なりますが、日射や気温の変動により夏季の直射日光では屋根表面で約60~80℃まで温度が上昇します。また形状が山型のため、日射角度によって表面温度が不均一になります。【図1】
- この表面温度の変化に伴い、それぞれの場所で伸縮し折板内部で様々な現象が発生すると考えられています。【図2】
種類 | ① 斜辺・底辺の反転音 「バックリング音」 | ② はぜ同士の摩擦音 「摺動音」 | ③ はぜと吊子の摩擦音 「爆裂音」 |
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発生箇所 | 折板の斜辺・底辺 | 折板のはぜ部 | 折板のはぜ部と吊子 |
音 | 「ボコボコ」「ペコペコ」 | 「ギシギシ」「カチカチ」 | 「ドカーン」「ドーン」「カーン」 |
要因 | 内部に発生した力が剛性の弱い 斜辺や底辺の平面部に集中 | 上はぜと下はぜで折板を 接合している部分が擦れる | はぜ部と吊子で折板を 接合している部分が擦れる |
対策 | * | * | スライド金具 |
【図1】 日射角度による表面温度の違い
【図2】 温度変化による熱伸縮
* 「①バックリング音」と「②摺動音」の音鳴り低減対策について(オプション対応)
折板は素材が金属であるため、熱伸縮による音鳴り現象を解決する根本的な対策はなく、完全に防止することはできませんが、これらを低減する効果が期待できる方法をご紹介します。
1.上弦材折板に裏貼材を貼る
上弦材の質量を上げ、熱伸縮時の反響音を低減し、日射による室内側への温度上昇も抑制します。
2.上弦材はぜ接合部に制振材を貼る*1
上弦材接合部の擦れを軽減し、斜辺と底辺で発生した反転音の反響を低減します。
※ 採用する際は、耐火認定内容の確認が必要です。
3. 断熱金具底部に制振材を貼る
下弦材と断熱金具の接触部に制振材が入るため、室内への音伝達を低減します。
※採用する際は、耐火認定内容の確認が必要です。
*1 現場作業になりますので材料費の他、屋根施工時における人工および工程等の面で追加が発生いたします。ご注意ください。
※上記は全てオプション対応になります。
SVタイプ 音鳴り低減仕様 (SV-1型・SV-2型シリーズ・SV-5型)
熱伸縮により、はぜ部と吊子の折板接合部分において発生する「爆裂音」の対策として開発された工法で、変動する吊子方式を採用し、上弦材の伸縮を開放すると共に断熱金具底部に制振材を貼付け、室内への音伝達を低減することで一定の効果が期待できます。
スライドダン吉®HQ 音鳴り低減仕様PAT
特長 その1
吊子部分が流れ方向にスライドすることで上折板の伸縮を開放。
特長 その2
金具底面に制振材を貼付することで、室内への音伝達を低減します。
<参考>dBとは…
音圧レベルを表す単位で音圧レベルで5dBの差は音圧の大きさで1.8倍になります。
※ 音圧レベルの数値は(株)サカタ製作所の試験結果であり、保証値ではありません。(吊子をスライドさせた状態での試験ではありません)
認定番号 | FP030RF-1548-3(1)~(4) |
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使用原板厚 | 上弦材 0.6mm以上、下弦材0.6mm以上 |
対応屋根材 | SV-1型・SV-2型シリーズ |
断熱材 | グラスウール10kg/m3 以上100mm以上 又は 50mm以上×2層 |
裏打材 | 可 |
断熱金具SHR スライド用断熱金具吊子
柔軟に動く吊子
熱伸縮により発生する音鳴りをスライドする吊子と断熱金具底面の専用制振材で軽減します。
音鳴り試験比較
認定番号 | FP030RF-1859(1)~(4) |
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使用原板厚 | 上弦材 0.6mm以上、下弦材0.6mm以上 |
対応屋根材 | SV-1型・SV-2型シリーズ・SV-5型 |
断熱材 | グラスウール10kg/m3 以上100mm以上 又は 50mm以上×2層 |
裏打材 | 可 |
【固定部用配置例】
スライド吊子には固定部(不動点)を設けるため、「固定部用」を併用してください。
- 水上、水下、中央のいずれかの母屋2列を固定式とします。
- 1本の母屋に、スライドと固定式を混在させないようにします。
※ 詳細は別途お問い合わせください。
※ 鋼板及び裏打材の種類により、耐火認定番号が異なります。
※ 「スライドダン吉®」は(株)サカタ製作所の登録商標です。
タイトロック500音鳴り低減仕様 (オプション対応)
耐火認定取得
Aタイプ:FP030RF-1933-4(1)
Bタイプ:FP030RF-1933-4(2)
はぜ部と吊子で折板を接合している部分が擦れて発生するのが「爆裂音」ですが、タイトロック500は吊子レス方式を採用しています。「摺動音」「バックリング音」については、素材が金属であるため完全に防止することはできませんが、下記仕様を採用することにより音鳴り低減効果が期待できます。
構成イメージ
*2 現場成型時にはコイルの巻取り長さに制限がありますので、最大長さについては別途ご相談ください。
※ タイトロック500音鳴り低減仕様はAまたはB単独、またはA+Bの組み合わせも可能です。
音響試験
タイトロック500二重折板断熱工法において、金属球による打音測定試験により、2種類の音鳴り低減仕様で通常工法との騒音レベルを比較しました。
試験結果
通常工法と比較して、Aと Bともに広い帯域で低減効果を確認。特にBにおいては400~2000Hzの全ての帯域で優れた低減効果が確認できました。